ひのまるの巣

オカメインコ・ヨウムの日々と 北の大地の住人の確かな日常。円山動物園に出没します。

詰めが甘い、爪がやばい⑥ 〜橋を越えて〜

肉刺まみれの足でよろよろと歩き始めたわたくしですが、そのうち不思議と痛みを感じることもなくなっていきました。
痛みにはすこぶる弱い乱子ですが、普段は全く働いてくれないお脳のほうからセロトニンやγアミノ酪酸エンドルフィンなど出しまくったのだと思います。
こういう時のために普段は全く機能していないんだな、と納得しました。

私のほうはなんとかなってきましたが、ゆきゆきの元気がなくなりつつありました。
昼間はあれだけ暑いと文句を言っていたのに、今度は夜の真っ暗と冷気に文句を言い始めました。

わたし、やっぱりお日様が好き!

暑さでいら立ち、中世の森で狩られそうな咆哮を絞り出していたとは思えない発言ですが慣れっこです。

そうかあ

と気の無い相槌を打って黙々と歩き続けます。

ゆきゆきの不安要素であるひざの痛みがひどくなってきたようで、途中で杖を差し出すなどして凌いでもらいます。

なんといっても第4CP(スタートから54.7キロ/区間距離6キロ)には豚汁やらおにぎりやらが待っています。

昨年は、どこかの灯とふれ愛の里の駐車場をまちがえてゆきゆきと険悪になりましたが、今年は細心の注意を払います。
あきらかに駐車場でしたが、ゆきゆきが

あの灯がそうじゃない???

とヨロコビの声を上げても

そうなの?

としらばっくれます。

やがてふれ愛の里の駐車場の全貌が見えようという頃、すでに第4CPを出発しようというふみふみ夫妻と再会。

今年はちゃんと喋ってるね

とニヤつくふみ夫にゆきゆきが

杖をふたりで分け合って使ったりして仲良しよ!

と強調します。

仲良くいろいろほおばりました。

6月15日22時22分 第4CP テントにて

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さて。

いよいよ第5CP(スタートから63.4キロ/区間距離8.7キロ)を目指す時がやってきました。
昨年わたしをひとりぼっちにしたゆきゆきが、今年はやる気満々でした。

あの、大きくて長過ぎる橋3つを、ひとりぼっちで歩かなくて済むのです。

途中、熱いほうじ茶が飲みたいなどとわがままをつぶやいてみたところ、しんしんとさわさわがルートの先で用意して待っていてくれた時には涙と力が湧いてきました。

キャンプ道具のバーナーで沸かして淹れてくれたあっつあつのほうじ茶。

五臓六腑に染み渡り、淀みかけた心も澄み渡ります。

ゆきゆきはもう少し休みたそうでしたが,一度休みだすととことんまで休んでしまう私は心を鬼にして再出発を宣言します。

夜霧がたちこめ、うんざりするような長い橋を歩きながら

これが、げんぞうが寝ながら歩いて頭を欄干にぶつけた場所

とゆきゆきがつぶやきます。

去年はここを、ひとりで歩いたんだねえ

今年はふたりだねえ

などと慰め合い、やはり杖を分け合ってとぼとぼ進みます。

昔から闇夜に興奮しがちな乱子でしたが、この日もなんのスイッチが入ったのか肉刺まみれの足のことも忘れ少しずつペースが上がって行く私。

膝の痛みでペースが落ちるゆきゆきを少し先でストレッチなどしながら待ち、また一緒に歩き出し・・・という繰り返しでした。

せっかくふたりで歩き出したというのに、待たない私は自分でもひどいと思いましたが、これだけの長距離を歩き続けていると、自分に合ったペースを保つということがけっこう重要なのだということに気づかされます。

無理に早めても、遅めても、どこかに負担がかかるのです。

やがて霧の向こうにローソンの灯が見えてきた頃、ゆきゆきの膝も私の肉刺まみれの足もボロボロだったのでした。

第5CP到着 午前1時過ぎ

つづく
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 100キロ

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