fc2ブログ

乱子の北陸東京物語②

さて。

無事に東京駅に着き、連日の肉体労働で疲れきってはいましたが、

ホテルで一息ついた後、ふらふらと出かけました。

ginza02.jpg

銀座は相変わらずキラキラしています。

千疋屋でおひとつ1800円+税 の藤りんごを見てニヤニヤしたり、

ginza201601.jpg

こんなディスプレイにグッときたりしながらもやはり翌日のデザフェスの準備が気になりだして早々に引き上げました。

翌日。

北陸の2日間同様、東京でもあまり眠れず、ナチュラルハイ状態での東京ビッグサイト入り。

新婚でウハウハの狐は相変わらずの北海道いじりが意地悪で、

このぅ、北海道産のもの一切食うなよ、と心の中で毒づいていました。

そんな黒い狐のいる影絵稲荷は毎度のことながら大繁盛。

IMGP3205.jpg

狐が狐を拝んだりしてすごいことになっています。

IMGP3207.jpg

私の方はと言えば、おかげさまで間借りブースでパンフレットに名前が載っていないにも関わらず、
常連さんが開場とともにドドド、といらしてくださったり、差し入れを届けてくださったり。

たくさんの方が目を留め足を留めてくださいました。

いつもながらこんなに仕事の遅い私をエゾより広い心で見守ってくださるお客様には感謝感激雨オカメです。

北陸での重労働と寝不足がたたり、店じまいの頃には普段からあまり動いていないアタマが仮死状態。

お隣の狐夫妻に挨拶もそこそこにブースを去り会場を後にしました。

飛行機の時間までギリギリというほどではないものの、あまり余裕がないのは確かでした。

りんかい線に乗り、天王洲アイルで乗り換えれば、モノレールが羽田に連れて行ってくれます。

ところが。

私は気を失っていたのでしょうか、聞こえてきたアナウンスは

〜 しぶやぁ〜 しぶやぁ〜 〜

渋谷!!!!!!??????

どうしてりんかい線に渋谷があるの?私はいつ乗り換えたの?りんかい線の終点駅はどこに行ったの?

御所車乱子、乱心状態。

ホームに降り、反対側の電車に乗れば元に戻れるかと思いきや埼京線の文字。

みなさま、私はいつどこで埼京線に乗り換えたのでしょう。

駅員さんを求めてエスカレーターを駆け上がり、

ここからいちばんはやく羽田に行く方法を教えてください と泣きつき、

山手線で浜松町で乗り換えるかい?と言われるも

いちばん楽チンで速い方法を!!と涙目の私に

じゃあ次の4番線に乗っていいから大崎で乗り換えて という駅員さん。

4番線ですね?4番線に乗ればいいんですね?とエスカレーターを駆け下りて無事に乗ることができました。

ところが。

乗った電車が何やらただならぬ雰囲気。

乗降口から奥を覗くと座席が全部こっちを向いている。

普通の電車に指定席?と思っていたら猛スピードで走り出しました。

いやな予感がします。

お外を見れば、びゅんびゅん景色が流れていきます。

つい昨日は新幹線のマッサージチェアのような椅子でリクライニングしながら余裕をかましてビールを飲んでいたのに。

今は、何か分からないけれどもとても速い電車の扉に張り付くようにポツンと一人立っている私。

お外にばかり気を取られていた私が次の瞬間見たものは、扉横の壁に埋め込まれた液晶画面。

見ればそこにはこの電車が今どこを走っているかの表示。

そして行き先が大きく書かれています。

「成田空港」と。

そう、私が乗ったのは成田エクスプレスでした。

大崎には停まりません。

ものすごいスピードで大崎の駅を通り過ぎて行きました。

大崎で乗り換えって言ってたのに・・・

呆然とする私の耳に聞こえてきたのは、静かな静かなアナウンス

〜東京の次は千葉に停まります〜

千葉!!!!!!!!

東京を逃すわけにはいきません。

なんとしてでも東京で降りなければ。

汗でびっしょりになりながら東京はまだかまだかと扉に両手を当てる私の姿は紛れもない変人です。

〜次は東京〜 のアナウンスをしてから一体どれだけ待たせるんだというくらい、長い長い時間でした。

そして。

いよいよ電車が東京のホームに滑り入り、扉が開いたと同時にダッシュできるよう構えるも、なかなか扉は開きません。

ホームにはこれから乗車するであろう外国人がわんさかといて、

なぜか扉に張り付いて汗だく顔面蒼白のちんちくりんな私を不思議そうに見ています。

なぜだ。

なぜ開かない。

じりじりする私の耳にまた静かな静かなアナウンスが聞こえてきました。

〜車両連結中のためしばらくお待ちください〜

車両連結は前もってしておいて!!!!!

と理不尽なことを心の中で雄叫びます。

長い長い時間が過ぎていきます。

ガチャン、ガッチャーンと連結完了したような音がしているのに、一向に扉は開きません。

乗務員以外の立ち入り禁止の表示があるドアに向かって

あのぅ〜〜〜〜〜おりたいんですけど〜〜〜〜〜 と囁いてみるもそんな声が届くはずも、

届いたとしても降ろしてくれるわけがありません。

焦る私、開かない扉。

やがて連結完了のアナウンスが流れ、いよいよホームに飛び出せると顔を上げた瞬間。

するすると電車が動き出しました。

※▶︎×✴︎☆✴︎!!!!

乱子、乱心ふたたび。

いやだ!!!降りるんだ!!!ここで降ろしてくれ!!!!!!!

すると電車がピタリと止まったではありませんか。

そうだ、そうだ、あとは扉を開くだけ!!!

祈るように扉の隙間を凝視しますが、開く気配は微塵もありません。

そしてあろうことかまたするすると動き出し、ちょっと進んではまた止まりました。

これを何度も繰り返すのです。

怒りと焦りで歯ぎしりせんばかりの私の耳に、またもや静かな静かなアナウンスが聞こえてきます。

〜 ただいま停止位置調整のためお待たせしております〜

うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

そんなにか、そんなに何度もやり直さないと定位置につけないくらい、成田エクスプレスってのは難しい電車なのかい?

もういい、飛行機に間に合わなくてもいいじゃないか、人間だもの 

と半ば諦めかけたその時、扉は開き、私は駆け出しました。

後のことはあまり覚えていません。

ただ、デザフェス出展日にトンボ帰りするのだけは絶対にやめておこうと薄れゆく意識の中で誓ったのは確かです。

御所車乱子18歳、乗り間違えて寝違えて。
スポンサーサイト