午前3時半、ひのまるのものすごい叫び声で飛び起きた。
あまりの声に一瞬はひのまるのものではないのではとも思ったけれど、
2度目の叫び声を聞きながらケージに走り寄ると・・・
止まり木にも床にもひのまるがいない。
裸眼だったのもあって発見が数秒遅れた。
ひのまるは、ケージのコーナーに、どうしてそうなってしまったのか
両方の羽のつけ根までをあの細い細いケージの網目に挟まれていた。
あたりには抜け落ちた無数の羽。
頭が真っ白になりながら、宙吊りのようになっているひのまるの腹部を下から支えて、
傷つけないように飛び出した羽をケージの内側に戻してやるも、
痛むのが暴れ、泣き叫ぶ。
それでもなんとか片方の羽を戻したところで、ひのまるはもがきながらなんとか外に出ようと
サイド入り口のシャッターで押し上げようと頭をねじ込んできた。
あわててそれを阻止して、もう片方の羽を戻した途端、まるで私の手がひどいことをしたかのように
止まり木によじ登りやっと止まってハアハアと荒い呼吸をしている。
右目の周りは内出血で赤かった。
ケージ内に出血の跡は無いことを確認し、
ひのまる、だいじょうぶだよ、だいじょうぶだよと声をかけようとして、
今度は私が今まで経験したことのない心臓のドクドクに吐き気と眩暈をおぼえて
その場に寝転んでしまった。
夫にひのまるを見てもらってしばらくすると、
「ひのちゃん、眠そうにしだしだよ。片足をしまっているし」
それを聞いて少しずつ心臓のドクドクがおさまってきたので
ケージのとなりに布団を運んでうつらうつらしながら朝を待った。
だいぶ外も明るくなり、小さい声で
ぽっぽっぽー、と話しかけると
ひのまるが「ぽぽぽぽぽ」とこたえた。
でもいつもなら出して出してーといわんばかりに
「ぴよーぴよー」と鳴くのに、黙ったまま。
それでもカバーを開けると急いでケージから出ようとする。
いつもと違ったのは、ケージから出ると肩までかけのぼり、首の後ろにぴたっとはりついて動かない。
オハヨー、オハヨー、とも言わない。
飛び回らない。
首の後ろから出てこないので鏡を使って見ると、片方の目が開いていなかった。
そして膨らんだまま。
静かに語りかけてなんとか手のほうまでおりて来させると、あきらかに目の力がない。
最初はとにかく手を怖がって触らせなかったけれど、そのうちに「なでて」のポーズをしたので
目の周りや頭などの傷をチェックした。
左目は傷をしたのか目やにが出ていてくっついている。
冠羽の後ろも、毛が抜けて打撲のような跡。
キャリーケースを保温してひのまるをそこに入れ、
休診日だったけれど、クリニックに電話をかける。
多分留守電だろうと思っていたら、偶然にもN先生が出てくれた。
こういう時に、先生の落ち着いた声は本当に救われる。
診て下さるということになったのですぐに駆けつけた。
ひのまるは最初キャリーケースからも出ようとしなかったけれど、
見慣れた場所と認識したのか、自分から先生の手のほうへ寄っていった。
先生はあらゆる部位を細かくチェックしてくださって、
いろんなところに内出血があって、かなりもがいた時にできたのだろうということ、
でも、普通の筋力だと骨を折ってしまったりするのに幸い打撲で済んでいること、
ひどい傷ではないけれど、左目は目薬でちょっとしみているようなので表面に怪我していること、
などを穏やかな口調で、ひのまるにもいっぱい話しかけてくれながら教えてくださった。
飲み薬と、目薬をもらい、しばらくはケージ内の温度を高めにして安静にということだった。
食欲も落ちるだろうから、ごはんは蒔餌のほうがいいということだったので
帰宅後、早速ケージの糞きり網を外した。
念のため、止まり木も3本のうち2本を外し、1本は低い位置につけた。
おもちゃなどは全部取り外した。
ひのまるをケージに入れようとするもものすごく嫌がる。
いきなり様子が変わったのと、怖い思いをしたのとだろう、手に乗っかったまま離れない。
でも、かなり体力を消耗しているというので早く眠ってもらわなければいけないと
心を鬼にして、(というか、夫に心を鬼にさせられて)手を引き抜く。
いつも止まって寝ていたかじり木がなくなっているのがとてもイヤだったらしく、
いつまで経ってもケージの網を横移動するばかりだったので、
それだけは元の位置より少し低めだけれど、戻してやった。
すると、ひのまるはすぐにそこに止まって、やがて首をつっこんで寝てしまった。
ケージ内は28度、それでも震えている。
傍に居たいけれど、それではひのまるが気になって寝れないからと夫に止められ
別室で待機中。
3年間、一度だってパニックを起こさなかったひのまる。
どうしてあんなことになったのか・・・。
とにかくこのまま、ひのまるがどうにかなっちゃうんじゃないかという不安でいっぱいです。